準備、準備、準備

春に企画したマラソン大会は、11月の第三日曜日に開催することになった。

東京にいた時にはイベントの企画・運営をしたことがなかった。そのうえ見知らぬ土地で、初めてのマラソン大会を開催することになり、不安要素も沢山あった。当日の天候。怪我、事故は無いか。参加者は集まるのか。出店してくれるお店はあるのか。こうした不安には一つ一つ向き合い対応していった。

天候についてはどうしようもない。予備日を設けるか協議したが、予備日は設けず雨天決行で決まった。

怪我、事故は起こさないように準備をしっかり行い、またプログラムに準備運動を入れ、走り終わった人にはクールダウンの運動を呼びかけるように決めた。

参加者集めについてはマラソン好きの職員が「ランネット」というサイトを活用することを提案してくれた。「ランネットでマラソン大会を検索できて、しかも応募もできるからかなり便利だよ。ランネットに掲載してみたら」と教えてくれたおかげで、県内だけでなく県外からも多くのランナーから参加申し込みが入った。また、広報がSNSを活用してマラソン大会の情報を流したり、ケーブルテレビでマラソン大会のアピールを積極的に行ったのもかなり効果的だった。

大会前日。普段そこまで人通りの多くないこの町に、全国各地から数千人の参加者が集まって町は活気づいていた。駅前の商店街は英気を養うランナーたちで溢れかえり、この日は市内のホテルもほとんどが満室になったようだ。

前日は朝からずっと慌ただしく動いていた。会場確認、備品の運搬、出店者への挨拶や場所誘導、準備の手伝いなど、あっという間に時間は過ぎていた。

自分が初めて企画から携わったマラソン大会。無事に開催されるか、事故無く、みんなに楽しんでもらえるか気になってなかなか眠れなかった。